2011年6月 ラグーナ・プーケット国際マラソン

Sundown以降、膝を痛めたこともあって2週間一度も走ることなく、今度はタイのプーケットマラソンを迎える。せっかくだからDNSはしたくない。でも出張続きで寝不足だし、でもエアチケット買っちゃったし、ということで、土曜日の午前4時半に自宅を出てエアアジアの空港へ向かう。

<マラソン前日>
プーケットはタイ・マレーシア国境のすぐ北にある島、KLから1.5時間のフライト。このリゾートアイランドに来るのは実は初めて。結構大きな島で、プーケットタウンや、一番人気のバトンビーチまで車で1時間近くかかる。マラソン会場のラグーナリゾートは車で30分未満だがリゾートしかないため、公共の交通機関(バスや乗り合いタクシー)が無い。空港タクシーに料金を聞くと「800バーツ(≒2000円)」と結構ふっかけてくる。他の客はみんなグループで来ているので集団交渉している。「そうだよね、リゾートに一人でわざわざマラソンしに来ないよね」と一人寂しく歩いて空港敷地から出て、表の通りで自力でタクシーを探す。最終的に片言タイ語交渉で300バーツで妥結。ドライバーとタイ語と英語のちゃんぽんでおしゃべりしながら会場を目指す。
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前日受付は朝10時から、ということで時計を見たらあと5分、と思ったらカップル(って最近は言わないのか?)が会場入り口前に座っている。外は蒸し暑い、中は超キンキンの冷房が効いている。「中に入れば?」と言ったら「まだあと1時間あるから入れない」とのこと。え? そうか、時差を忘れてた。タイはマレーシアより1時間遅かったんだ。この炎天下であと1時間も待つのか、と辟易しながらもその2人とおしゃべりしながら待つ。中華系インドネシア人で「残念ながらインドネシアにフルマラソン大会は無い」とのこと。「10kmはあるけどインドネシアの運営は最悪!」と言う。ワタシが最近いろいろな大会に出始めていることを話したら「アナタはTourist Runnnerなんだね」と言われました。なるほど、いい言葉かも。


そのうち受付待ちの人が増えてきて、「まだ入らないで下さい」と言っていたスタッフも勝手に会場内に入る人の流れを止められず、我々もどさくさに紛れて中に入る。涼しい~、はじめから入れてくれればいいのに。シンプルなブースを見ているうちに午前10時になって受付開始。張り出されている自分の名前とゼッケン番号を紙に書いて提出、それと交換にゼッケンをもらうのだが、なんとゼッケンが無造作にテーブルに山積みされているおり、これがなかなか見つからない。「もうちょっと、分かりやすく整理分類して置けばいいのに」。スタッフも頑張って探すのだが、そのうち他のランナーが来て紙を出すと今度はそっちの人のゼッケンを探し出す始末、典型的なアジアの対応パターン。「ダメだ、こりゃ」と自分でゼッケンを探してサクッと見つける。お決まりの日本人ランナー専用ブースがあって、そこはしっかりと日本人スタッフがいた。
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さて、

昨晩3時間くらいしか寝てないのでフラフラ。ホテルで寝よう、ビーチに行こう! と、ホテルまで歩き出すが、正直ホテルの場所がよくわからない。というのもネットで適当に見つけたホテルで、詳細な地図がなく「ま、行けばなんとかなるだろ」と思って来てみたけれど、ホテル名を言っても誰も知らない。「こりゃヤバイ」と思いながらも見当をつけて歩き出す。すでに暑い、スポーツバッグが肩に食い込む。道々で人に聞くが「知らん」と言われる。タクシーの運ちゃん達が声をかけてくるので聞いてみたら「そこは遠い、歩けない。タクシーで行け」とまたふっかけられる。そんな遠いわけがない。「こっちは空港から歩いてきたんだ(ウソ)、今更タクシーなんか乗れますか」と、意地になって歩く。方向さえ正しければ、あとはこの田舎の1本道を歩いていくだけだ。

しかし、遠い。たっぷり1時間歩いた。今日はいいとして、明朝のマラソンはどうする?会場まで1時間、アップのため走るか? ゴールしてから1時間もホテルまで歩けないぞ。リゾート周辺のホテルが高いので外れのホテルを選んだが、その考え方自体がハズレだったか。おとなしく会場近辺のホテルにすればよかった、と1万回ほど後悔しているうちにやっとホテルに到着。ラグーナリゾートから歩いてきた、と言ったら「えーっ!」と驚かれる。明日のマラソンに出るという日本人ゲスト、Yさんを紹介された。「今日は満室だから」と言われて別のホテルに連れていかれる、釈然としないところもあったけれど、結論として近所のそちらのホテルの方が新しくきれいで良かった。マラソン会場までの足について相談したところ、レンタルバイクを勧められ、1日300バーツで借りることにした。これで心配事が一つ消えた。シャワーを浴びてランチをとってテレビを見ながら昼寝。とりあえずとっても快適な午後を過ごす。1時間歩いた甲斐があったかも。

午後5時半から会場でパスタパーティーがあるためバイクで出掛ける。無免許で運転しているわけだから事故ったらヤバイ。日本からの出張者から携帯に何度も連絡が入る。「月曜日の会議用に修正資料を印刷しといて」とのこと。ハイハイ、喜んでやりますとも、だから束の間のリゾート気分を壊さんといて。

会場のリゾートレストランでYさんとしゃべりながらたらふく食べる。ホテルまでの帰りの夜道、どしゃ降りにやられたけど無事戻る。朝食用にクッキーや水を買うがバナナが見当たらない。店のレジの上に一房あるので、それを指差して「バナナ1本買いたいんだけど」と言ったら、1本もぎってタダでくれた。ラッキー!

<マラソン当日>
午前3時50分にYさんと待ち合わせて二人でバイクで会場へ。やることもないままスタートの午前4時半を迎える。フルマラソンの参加者は600人くらい。すでにねっとりと蒸し暑い。日本人ランナーがかなり多い。でも自分みたいに個人で、それも1泊2日で来ている人なんてほとんどいないんだろうな、と思う。もともとは7年前のスマトラ地震からの復興目的で始まったマラソンで、たしか増田明美さんも発起時にからんでいたはず。

時間どおりにスタート。街中のメインストリートから北方の空港周辺まで行って帰ってくる折り返しコース。海沿いを走れるのは中間点近くのほんの限られた箇所だけ。あとはひたすらプーケットの田舎、畑を見ながら走る単調なコース。アップダウンはあるが歩くほどではない、かなり歩いている人を見たが。
右膝に爆弾を抱えているので、超スローペースで走る。ちょうどYさんが「のんびり走ります」と言っていたので、二人でゆっくり走る、7分半/kmペースのスロージョギング。ウルトラより遅いけれど今の自分にはこれくらいがちょうどいい。エイドは2kmごとにあるので、そのたびに水とスポドリをしっかりもらう。たまに食べ物としてスイカ、バナナなどが置いてあった。一番重宝したのはスポンジ。エイドごとにたっぷり水を含ませて体中を濡らす。そしてうなじとシャツの間に突っ込んでキープ、そのまま次のエイドまで走る。

10km通過が1時間16分、いやはや。右膝は今のところ大丈夫。Yさんとおしゃべりしながら走っていることもあって苦しさを感じない。このままのペースで行くとゴールは5時間を超える。「それもちょっと...」と思ってYさんに声をかけて少しだけペースを上げて走り出す。中間点を前にしてトップランナーとすれ違う。欧米系、この暑いのにすごいペースだ。と、続々と後続ランナーがやってくる。日本人らしきランナーも何人もやってくる。みんな体が細い、引き締まってる。

20km通過が2時間22分。いつものごとく早くもバテてきた。天候は曇りで少し風があり、走るには結構快適な条件。何人か日本人の方と走りながら話したところ「昨年は暑かった。今年はかなり涼しいほうです」とのこと。周りにランナーはいるけれど、自分が今どのあたりのポジションにいるのかはさっぱり分からない。とりあえず少しずつ前のランナーを拾いながらヨタヨタと走る。

30km通過が3時間24分。ちょうど6分/kmくらいのペースで走っているだろうか。エイドごとに立ち止まってはしっかり給水してストレッチを入れる。練習不足で体が重いのでスピードは出ないが、前半のんびり走ったせいか、2週間前のシンガポールSundownよりは苦しくない。単なる折り返しコースかと思いきや、往路と微妙にコースが異なる。あちらこちら、細い道をかなり何度も曲がる。それが結構面倒くさい。
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40km通過がちょうど4時間30分。5時間台突入は避けられた。リゾート内に戻って来て最後は中庭の裏道のようなところを走らされる。ファミリー5kmランナーと一緒になっる。車道を渡り、クロカンコースのようなところをダッシュしてくる元気なチビっ子にどんどん追い抜かれる。

ゴールタイムは手元時計で4時間43分15秒。自己ワーストかも。
とりあえずリタイアしなくて良かった、ただそれだけ。右膝は、違和感はあるが歩くことは出来る。

メダルと飲み物を頂き、早々に会場をあとにする。残念ながらこのあとYさんに会うことはありませんでした。帰りのフライトが午後5時10分だったので、ホテルのチェックアウトを午後3時までサービスで延ばしてもらい、部屋の目の前のプールにずっと漬かってクールダウン。結局、海では泳がなかった...
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ホテルオーナーの旦那さんに車で空港まで送ってもらい、帰りもエアアジアに乗って無事マレーシアに帰国。長い2日間でした。

<感想>
全体として運営はしっかりしていたと思う。前日のパスタパーティーは良かった。距離表示が1kmごとにあったのは良かった。エイドのスポンジも本当に助かった、あれがなかったらかなりきつかった。
コースは単調、景色を楽しむポイントなし。リゾート感は無い、単なる田舎道コース。
曲がり角が非常に多かったが、ランナーがコースアウトしないよう分岐点に必ずスタッフが立っていたのは良かった。
地元応援はほぼゼロ。

マイナス点は、エイドにゴミ箱がほとんど設置されていなかったこと。空のカップを道端に捨てるしかなく、けなげにもスタッフがそれを広い集めていたが、ゴミ箱を置いてくれれば、回収ももっとラクだったと思う。

また出るか? いや、たぶん、ちょっと...