2011年6月 Standard Chartered KL Marathon

またフルマラソンの日がやって来た。この4週間で3回目のフルマラソン。

今回は地元のKLマラソン。公式サイトによると参加人数は以下。
全参加人数:22,000人(5km、10km、ハーフ込み)。うちフルマラソンが2,400人。

右膝痛が治らず2週間前から走っていない。その間、KLに出張者が来てヘビーな夜の食事で膝への負担は増すばかり。かなりテンションの上がらない状態ながらも、走馬会のH田さんにお電話して当日は車で一緒に連れて行ってもらう。「一緒に行くのはいいけれど3時間半とかで走られると1時間は待たせることになっちゃうよ」「いえいえ、目標4時間半です」と話したらなんだか気楽になった。ファンランで十分。

当日、午前4時集合。フルのスタートは午前5時。通常、東南アジアのレースに当日受付はなく、数日間行われる事前受付でゼッケン等を受け取っておくシステム。なので自宅から走る格好をして出掛ける気楽さ、車で20分で現地到着。準備終えてもまだ4時40分。のんびりとスタート地点に向かって並ぶ。フルマラソンに出走するのにスタート1時間前に家を出られるこの気軽さは本当に有難い。アジアのマラソンの大きな利点。
ペースメーカーは3時間からそれぞれ6時間まで6種類各3人(それぞれ公式冊子に顔写真入りで紹介されている)が、日本では考えられない大きさの風船を腰に巻きつけて高々と浮かせている。走るのに結構負担になるだろうな、と思う。
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なんとなーく緩い雰囲気の中、スタート。最初は走馬会のY田さんとおしゃべりしながらスローペース、7.5分/kmくらいか。

途中でY田さんと分かれ、先行するH田さんに追い付き、ローカルの知り合いSajitをかわしてトコトコと走っていく。もちろん日本よりもKLは暑いけれど、今朝は意外も比較的涼しい。日の出は午前7時くらいなのでまだ辺りは真っ暗。地元KLとはいえ、自分でほとんどまったく運転しないためどこを走っているのかわからない。左側に古い空港を見ながら進んでいく、こんなところ来たことないなぁ。

10km通過が1時間3分(くらい)。だんだん明るくなってきて前方にペトロナスツインタワーが見えてくる。車道沿いを走っており、空気はよくない。警官がしっかり?交通整理をしているのだが、マラソンのせいで大渋滞が発生しておりまったく車が進まない。そのためクラクションがひどい。「すまんねぇ」と思いながら走るが、たまに耐えきれなくなった車がマラソンコースに飛び出してくるので要注意。特にバイクがコースに入ってきてランナーを追い抜いていったり、と他のレースじゃありえないことが普通に起きる。しまいにはバスがランニングコースと車道を仕切っているプラスチックコーンの拡大版みたいなものに接触して、それが自分の目の前に飛んできたときはさすがに驚いた、いやはや。

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20km通過が2時間3分くらい。ぴったり6分/kmのペースで走っている。KLの中心部、いつもなら買い物客であふれ返っているJalan Bukit Bintangがランナーの集団に占領されている。ツインタワーの足元を走り抜け市外に出る。ひらすら車道沿いを走る。このあたりも車で走ったことが無く、まったく見覚えがない。

エイドは2kmごとに水のみ、4kmごとに水&スポドリ。とにかくすべてのエイドで止まってしっかりと水分を取り、ひたすらスポンジを握ったまま走る。靴周り以外はもうびしょびしょに濡れた状態。食べ物は無かったが1ヶ所だけバナナを配っていたのでそこでしっかりゲットした。2年前に走った人の話では「遅く来たランナーには水が残っておらず、死ぬ思いでコースに転がっていたペットボトルの飲みさしを拾って飲んだ」と聞いていたので、スタートから水を持参して走ったが最後まで水分補給は潤沢だった。「昨年からしっかり改善された」とのこと、早く言ってよ。

このあたりからつらくなってくる。距離表示が1kmごとにあるが、かえってそれを見ると残りの距離を考えてしまって余計につらい。「何も考えるな!フォースを使って走れ」とひたすら自己暗示をかけながら走るが、つらいものはつらい。

30km通過が3時間3分くらい。おお、なんとまだ機械のように6分/kmで走れていたのか。苦しくなるのが嫌なのでペースは上げないが、前方かランナーがどんどんこぼれてくる、もう後ろから抜かれることはない。なんだか左膝が痛くなってきた。無意識に右膝をかばっているうちに今度は左膝にきたか。30kmを越えて精神的にちょっとほっとするが、あと12kmは長い。エイドでしっかり水分補給し、止まって屈伸やストレッチをしてみる。時間は午前8時を過ぎており、太陽がかなり昇ってきたため急激に温度が上がってきている。
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自分でもペースが落ちてきたのが分かる。無理するとこの後が苦しいが、この蒸し焼き状態はもっと苦しい。ので、ちょっと意識してペースアップする。35kmを越えたあたりから見慣れた、何度か走ったことのあるコースに入る。知っているコースのおかげで少し精神的に楽になり、前のランナーを追っていく。こちらはエイドで長く止まるのでいったん抜かれるが、走り出してまた抜き返す。国際マラソンのコースとは思えないほど坂の傾斜がきつい。

ナンバーチェックで「Oh, Beautiful Number !」と言われる。そう、今日のゼッケン番号はなんと「2011」なのだ。「Thank you、覚えやすいでしょ。来年は2012だよ」と返す。

40km通過が4時間2分くらい。お、ペース維持出来てる。しかしゴールの「ムルデカ(独立)広場」はもう目と鼻の先なのにまだ40kmとはどういうこと?と思ったらゴールを目前に2km大きく迂回させられるコースになっている。これは知らなかったので精神的につらかった。ゴール数百メートル前からすでに完走したハーフマラソンのランナーでコースがあふれ返っている。それをかきわけ、縫うように走り、なんとかゴールラインへ。

ゴールタイムは4時間14分くらい。

飲み物、完走メダル、Tシャツをもらい、しばらくの間、扇風機のあるテントの日陰で休む。その後、表彰式を見ていたら走馬会のH谷さんが女性ベテランの部で総合2位に入賞されておりビックリ! 賞金US800ドル(驚)と副賞の時計、そしてとっても立派なメダルを頂いてました。サブ5でゴールされたH田さんと合流、シャワー浴びて宴会場に移動。皆さんと楽しい時間を過ごしました。
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地元KLのStandard Chartered(世界的に大きな銀行がスポンサー)マラソンは、コースはそんなに楽しいわけではないですが、折り返しではなくKL市内を大きく1周するコース設定でなかなかよかったと思う。交通の安全性にはかなりの問題はありますが、人数も多過ぎなくてよかった。同じStandard Charteredが冠スポンサーのシンガポールに比べて絶対こちらの方がイイ! 香港も良かったけど、あれも折り返しコースだから今日の方がコースはよかったと思う。

ちなみに、調べてみたらStandard Charteredが開催しているマラソンは現在全部で9つ、KL、シンガポール、香港(これら3つには出た)、バンコクは容易に出られそう。ムンバイ(ボンベイ)、ドバイは出走可能な位置にある。ナイロビはどうか? フォークランド諸島、ジャージー(英国領チャンネル諸島)となると、距離的・時間的・費用的に不可能か。

ということで、無理せず走って大きなダメージもなく、なんとか完走出来てよかった。明日からメタボ解消のため食べ物に気を配り、徐々に練習も再開したい。結局6月は走ったのは2回のフルマラソンのみで月間走行距離は84km。