2012年 5月 Singapore Sundown Marathon

今週も出張者対応で、走る時間どころか睡眠時間も十分に取れなかった。って、毎週同じようなことを書いているかも。これなら先週の文章をコピペした方が早いか?

ということで、かなりよろしくない体調のままフルマラソンの日を迎える。といってもスタートは日曜日の午前0時半。家族サービスのため昼寝時間も取れないまま夕方に空港へ向かう。エアアジアは先にチケット発行&チェックイン出来るので空港でやることもなく、午後7時50分の便でシンガポールへ。チャンギ空港で夕飯食べて時間をつぶし、MRTでスタート場所に向かう。車内では同じレースに参加するランナーがすでに走る姿で楽しそうにおしゃべりしている。みんな夕方までたっぷり寝て、夕飯食べてから自宅を出て来たんだろうなぁ。こちらはくたびれた姿でスポーツバッグ抱えてあくびをかみ殺している状態、う~む、かなりのハンデあり。

目的地に到着して驚いた。新しい駅はちょうど広場の真ん中にあり、そこが一面マラソン用のテントやブースで囲まれている。地上に出てすぐのテントでゼッケン入手、非常にスムーズなのがマレーシアと違うところか。これでもまだ午後10時半、スタートまであと2時間もある。そもそもスタートは午後10時(昨年はそうだった)くらいのつもりで飛行機を予約したのに、一ヶ月くらい前までスタート時間が発表されず結局午前0時半に決定。ちょっと読みが甘かった。帰り便は午前7時45分発だから、遅くとも4時間半以内、午前5時にはゴールしないと間に合わない。

誰かと一緒に来ていれば楽しくおしゃべりでもして時間をつぶすのだがそうもいかない、かといって歩道で横になるのも寝過したらまずい。周りを見て思うのはシンガポールもマレーシアもランナーの年齢層がかなり若いということ。みんな20歳代前半に見える。日本のランナーの中心年齢層は30-60歳代で、スタート前の雰囲気はかなりシリアスなかんじだけど、こちらはいたってのんびりムード。暑いからトイレも混んでいない。正直こっちの方が気楽で好きだ。

と、午後10時半スタートの10kmランナーの大群がわらわらとやってくる。道路を渡ろうにも途切れることがない。いったい何人いるのだろうか(おそらく5千人以上)。

やっとスタートの時間が近づいてきて「並ぼうか」と行ってみると、すでにすごい数のランナーが道路まで入れず脇にあふれている。「こりゃダメだ」と、オンタイムのスタートを諦めてしばしボーっとする。結局スタート出来たのは0時半から14分後。スタートラインを越えてもコースが狭すぎてほとんど前に進めない。「こりゃダメだ」とまた思う。そもそもフルとハーフのランナー(合計でたぶん数千人の上)がこんな狭いところで一緒にスタートするのがおかしいでしょ、と身動きが取れないまま、運営のプアさを嘆く。仕方なく路肩の土の上を走るも、そこを歩いているランナーもいたりしていつまでたってもなかなか前に進めない。ヒジがしょっちゅう隣のランナーにあたる...正直「来年はぜったい来ない」と百回くらい思った。

コース規制はしているものの片側2車線のうちの1車線のみでとにかく狭い。おまけにもともとシンガポールの気候のせいか、人いきれのせいか、「無茶苦茶に蒸し暑い!!」。とにかくハーフとコースが分かれるところまで我慢だ、と自分に言い聞かせて走るも、遅いペースとはいえ自分のペースで走れないと結構早くバテがくるのが怖い。

10km通過が59分13秒、あれ?思ったよりは速い。ライトアップされたSingapore Flyer(大観覧車)を眺めながらマリーナベイサンズまでやってくる。これって出張時によく走るルートじゃん。と、マリーナベイ沿いのタイル張りのようなスペースを走る。こんな道路でもない観光地を何千人も走っていいのか?と思いながら、意外に多い観光客に応援されて走る。

そのあとは暗い工事現場周辺をくねくねと走らされ、自動音声で「ハーフは左、フルは右へ」と何度も聞かされながらやっとハーフの皆さんとお別れ、さようなら。と、思ったよりもフルのランナーが多いのもマレーシアとまた異なるところ。ここから海沿い10km以上を走る折り返しコース。1年半前に走ったシンガポールマラソンと同じ設定なのでまだよく覚えている。道端で日本人の方々が日本語で「がんばって~」と応援してくれているので、通りすがりに小声で「ありがとうございます」と言ったら「うわっ!ビックリした」と何故か驚かれた...

エイドは2kmおきで、水だけと水&スポドリが交互にある。食べ物はラストにバナナが2回ほどあったが、もっと中盤に設置して欲しいでしょ!と思う。

20kmの通過が2時間9秒、さすが時計内蔵の我がボディ、ひたすら6分/kmで走っている。が、もう疲れてきてペースが落ちる、エイド前後で長く歩く。折り返し地点の25kmまでえらく遠く感じる。エイドで止まって持参したカロリーメイトスポドリで流し込む。あー、あとまだ半分もあるのか~、つらいわ~、とそれしか頭に浮かばない。自分のスタートが遅かったせいか、折り返してくるランナーの数が結構多いのに驚く。

やっとのことで25kmの折り返し、このままじゃダメだ、と思って i Podを取りだす。こんなときは Power of Musicに頼るしかない。そして持参したビダー in ゼリーを口にする。すると一気にリフレッシュされてスピードが上がって来た。そして奇跡が起こる。

さーっと冷たい風が吹いて遠くに雷鳴が轟く。「来る!」と思った直後に霧雨が、そしてスコールがやってきた。「フォー!」と叫びながら両手を広げて走る。これで体温が下がって走り易くなる、とスピードを上げてゴボウ抜きタイムの開始です。皆さん後半でヘロヘロなところを一気に抜き去っていく、といってもこちらもせいぜい5分前半/kmのスピードですけど。体温が下がるのはいいのだけれど、バテているところで体が冷え切ったり靴がたっぷり濡れるのはマズイので意図的に飛ばす。

どんどん前のランナーを追って折り返しの開始地点まで戻って来たらまだ日本人の方々が応援して下さっていたので、今度は手前から大声で「ありがとうございます!」と言って走り抜ける。正直この応援は嬉しかった。雨は強いままで工事現場周辺は水たまりの巣、それをよけながら走るが真っ暗なところでは深い水たまりにズッポリはまる。それでも涼しい気温とPower of Musicのおかげで快調に飛ばす。と思ったら突然音楽が止まった...雨に濡らし過ぎたのか音が出なくなった。うーむ、これくらいで故障するのか? スティーブ・ジョブズさん、なんとかしてよ。
30km地点は真っ暗でよく分からなかったが3時間弱くらいか。20kmからのスローダウンを25kmからのペースアップで補った結果、またまたイーブンペースとなりました。
40km通過が3時間55分、ちょうど5分半/kmのペースまで上がった。自分ではもっとかっとばしていたつもりでも大雨の中あまりスピードは出ていなかったのかもしれません。それでもエイドで止まらずペース落とさずゴールまで走り抜くことが出来ました。最後の2.195kmを手元の時計で9分33秒って、これは早過ぎるから実際は40km地点表示がもっと手前であるべきだったのかもしれません。

ゴールタイムは4時間4分18秒。前半を2時間6分、後半を1時間58分という計算。最初のもたつきが無ければサブ4は維持出来たでしょうが、雨が降らなければ4時間半コースだったかもしれないので、十分です。

午前5時、ゴール後は荷物を受け取って大雨の中を急いでシャワーを浴びる。こんなこともあろうかと傘を持参していたのでそのまま駅のタクシー乗り場まで行くが...なんと、タクシーがまったくつかまらない。突然のスコールで、遅くまで夜遊びしていた皆さんも、そしてゴールして始発までのんびりするはずだったランナーも一斉に帰宅しようとしたためタクシーに客が群がってまったくダメ。「こりゃマズイ...」とタクシー会社に電話するも1件目はBusyでつながらず、2件目はつながるも「車なし」、3件目もつながらず、こりゃホントにマズイですよ...となったところで空車がやって来た。まず前にいた人たちが交渉するも不成立。というもの運転手が窓に掲げているボードを見ると、「EAST」と書いてある。要するにこの時間はもう東方面にしか行きませんよ(たぶん自宅がそちら方面にあるから)ということ。ラッキーにもこちらの目的地であるチャンギ空港は東にある。大雨の中、走り出したタクシーに追い付いて「空港まで」お願いすると、はたして「OK」であった、助かった! 危うくシンガポール駐在の先輩の携帯に泣きの電話をするところだった。

ということで無事に飛行機に間に合って日曜日の午前11時には帰宅。しかし片道6時間(バスや飛行機の待ち時間込み)かけてシンガポールまで行って、真夜中に睡眠なしでフルマラソンを走る価値があるのか?と聞かれるとちょっと...運よく後半に雨が降って気持ちよく走れましたが、あのまま苦しい走りだったら...とも思う。来年も出るか?この東南アジアで42kmを走れるのは貴重ですが、また1年間悩んでみます。