2012年6月 Standard Chartered KL Marathon

地元KLマラソン、2回目の出走。

目標はマレーシアでの初サブ4。このために6月は秘かに(?)120kmも走り込んだ。目標の減量はまったく達成されなかったが、少しは暑い中を走ることに体が慣れたと思う。

さて当日。スタートは昨年5時(だったか?)よりも繰り上がって午前4時半。駐車スペースを気にして早めの出発。午前3時にはまだ空いていた駐車場も3時半には満車になった。正味4時間くらいしか寝てない、しばらく車の中でボーっとして、直前に準備開始、会場まで10分ほど歩く。

スタート地点でH田さんに会う。あとのメンバーは...ランナーが多過ぎて見当たらない。大きな管楽器を演奏している人がいたが、そのときはランナーだと思わなかった。あとでよく考えたらスタートゾーンに居たのだからあの人もランナーだったんだ、すごい。と、腕時計を忘れたことに気付く。ベルトが壊れて最近はめていないのですっかりその存在を忘れていた。しょうがないから今日のペースは馬なり、体の赴くまま、ということで。

ほぼ時刻どおりにスタート、数分は混雑の中を走るがすぐに走り易くなる。唐笠を被った「フル100回」の日本人ランナーの方にご挨拶。KLまでマラソンツアーで来られたそうです。KLマラソンもそんな大会になったんだなぁ、国際的!

昨年走ったコースだからなんとなく覚えているような、いないような、とにかく暗い中をサクサクと走って行く。暑さが大敵、と思っていたら意外にも小雨がぱらつく絶好のコンディション。涼しいうちに頑張ろう、と自分としてはいいペース、キロ5分から5分半で走る。エイドは十分なほど設置されていた。水とスポドリとスポンジがメイン。スポンジ大好きなので毎回もらって、うなじやノド周辺に挟んで走った。熱帯の大会はスポンジ必須よ!と、後ろから肩を叩かれる。M永さんのトライアスロン仲間、カンさんだ。ご挨拶してそのまま先に行かせて頂く。そしてその先には、いました! お魚さん。今日も黒いタイツ姿でピチピチと威勢よく音を立てながら走っています。調子も良さそう!懐かしいその音を聞きながら、ゆっくりと先行させて頂く。頑張って泳いで、いや、走って下さいね!

12km地点を過ぎたあたりでゆかみさんに遭遇。タイムをお尋ねすると「1時間5分」とのこと。ほぼ5分/kmに近いスピードで走っているようで安心、これならサブ4は行けるか?とにかく涼しいうちに進みたい、水たまりに気をつけながら走る。しかし早くもお腹が空いてきた。トイレにも行きたくなってきた。16km地点でバナナを発見したが、一瞬躊躇したせいで取れなかった、これは痛恨だった...その後ずっと空腹と戦うはめになる。

20km通過時に隣のランナーさんにタイムを教えてもらう。「1時間43分くらい」、ということは中間地点の通過がちょうど1時間50分くらいの計算。まだペースは落ちていない、ラッキー。苦しくなる前に少しでも進んでおきたい。苦しいの嫌い。

KLで一番の繁華街であるBukit Bintang通りに入るも、まだ日曜日の午前6時半ということもあってひたすら静か。昨年はもうちょっとにぎやかだったような...そのままペトロナスツインタワーの前まで行くもやはり静か。おまけにツインタワーのライトアップがほとんどない。昨年は走りながら真下からツインタワーを見て、ちょっと感動したのですが、今年はまだ薄暗くてよく見えない。純粋に走る分には涼しくてよかったけれど、どうも観光ランには不向きなスタート時間だったかも、ツアーで来た人には少し物足りなかったかもしれません。

ツインタワーを過ぎてからの25-35km間はもう、それはそれはひたすら地味なKL郊外の車道をただただひたすらに走る。昨年は天気もよくて、すでにこのあたりでへばっていたなぁ、と余計なことを思い出しながら走る。というか、今年も同じあたりで空腹でかなりへばってきているんですけど...しかしいかんせんエイドに食べ物がまったくない。バナナかパンが出てくるかと思ったが結局二度と出てこなかった。30km地点にパワージェルがあったけど、以前どこかのレースで食べたらとっても美味しくなかったので空腹だけどパス。バナナかパンくれ~。

ここまで、走り始めて誰にも抜かれていない。ま、いつものことで後ろからゆっくりスタートするから速いランナーはとっくに前に行ってるわけで、むしろこちらは追う側。少しずつ前方のランナーを拾っていくも、30km地点前後でローカルランナーとかなりのデッドヒートになる。追い付いて引き離されて、また追い付いてそのまま追い抜いたら抜き返される。後ろから見ると年齢は自分より少し上だが走りにまだ元気がある。でもそのうち落ちてくるだろう、と我慢してとにかく喰らいつく、引き離されないよう必死に走る。結局かなりの距離を一緒に走ったが、最後に上り坂で突き放す。ずっとついてきた足音がやっと遠ざかった。それなりに疲労するも、一番つらい区間でお陰様でいいペースを保てました。

35kmを過ぎて大きな車道とはお別れ、自宅からLake Gardenまで走っているマイコースに入る。ここまでくればゴールは見えた。よっしゃ!と気合いを入れ直して持っていたスポンジにエイドでもらった水を含ませて、顔でも拭くか、と思ったら、どうやら間違えてスポドリをかけてしまったらしい。残念ながらそのスポンジはゴミ箱行き。危なくベタベタになるところだった。日本みたいにエイドに「水」とか「スポーツドリンク」とか書いてないから中身を目視しないと危ない(自分の注意力のせいでもあるが)。と、私設エイドらしきものを発見! 「Something to eat !」と大声を出したらパンを頂戴しました。ありがとう! でも水がないとまったく飲み込めない。かえって苦しい~、でももったいなくて捨てられない~。次のエイドまでひたすら食べかけのパンをつかんだまま走る。なんだか格好悪い。

と、今度は背の高いがっしりしたランナーと競り合う。なかなか追い抜かせてくれない。追い付こうとするとスピードが上がるのでこちらも付いていくのがやっと。通常マレーシアランナーはこちらが追い抜こうとすると、おのずとその人もスピードを上げて抜かれることに抗い、更に無意識のうちに少しずつこちらの進路をふさぐように斜行してくる。ので、こちらも抜く際にはパッとサイドステップを踏んで逆側から一気に抜く。すると相手は「あら...」みたいな感じでもう追いかけてこない。しかしこのランナーは違う。いいペースを保ったままなかなか追い抜かせてくれない。彼が次のエイドで一瞬スローダウンしたところでスーっと抜かせてもらうも、コースで一番きつい登りにさしかかったところで馬力で抜き返される。ここで追い付けずにかなり差を空けられる。思わず視線が下がる。坂を昇り切ってもまだ苦しくてなかなか回復しない。相手は下りも良いペースで降りて行く。なんとか息を整えて追撃開始。ここからは長い下り坂、重力に任せて一気に下る。今日は車が来ないことも分かっているので、蛇行するコースの最短距離をついて走る。残りもう3kmほどなので少し無理して飛ばし、彼に追い付いてそのまま一気に突き放す。そのあと短い折り返しでH谷さんを発見、30秒くらいの距離か。とりあえず先ほどまで競っていたランナーとの距離を確認、さすがに相手も付いて来ない。ダメ押しでそこからもう少しペースを上げる。これまですべてのエイドに寄ってきたが最後のエイドはパス。大声でなにかを吠えているマレー系ランナーを追い抜いてラストの長い折り返しへ。H谷さんの赤いシャツが近づいてきたので更にもう少し頑張る。ラスト1kmくらいで追い付いて先行させて頂く。ゴールまではハーフや10kmのランナーが入り乱れて、歩いているランナーも多い中を縫って走る。ラストスパートでゴール!

タイムはGun Time(グロス)で3時間34分15秒くらい、あとで調べたところネットで3:33:09。
大幅に東南アジア自己ベストを更新、とりあえず満足です。

全般的にかなり涼しかった天候(スタート時間が早かったことも影響)、前半に降った雨、の影響がかなり大きかったと思います。昨年の午前8時過ぎの灼熱地獄は、今年は体験せずに済みました。天候に関してはラッキーでしたが、最後までバテずに走れたのは収穫でした。
反省点としては、途中かなり空腹に悩まされ、レース前の食事の大切さをあらためて思い知りました。朝食まともに食べなかったもんな~。腕時計を忘れたけれど、時計を見る、という煩わしさがなくてかえって良かったかもしれません。今思えばもう少し違う走りが出来たかも。

さて、次のフルマラソンは11月のペナンかバンコクあたりを走りましょうかね。