2012年9月 北緯40°秋田内陸リゾートカップ 100キロチャレンジマラソン大会 前日

「北緯40°秋田内陸リゾートカップ 100キロチャレンジマラソン大会」
なんだかすごく長い大会名。
ずっと前から出てみたかったウルトラの大会の1つ。ネットでのエントリーは受け付けておらず、郵便局から現金書留を送らねばいけないため、マレーシアに来た日本人出張者にエントリー用紙と現金を渡して代理エントリーをお願いした次第。

そろそろ交通機関と宿を取らねば、と思って7月くらいに予約を始めたらホテルはどこも満室...そもそもスタート地点とゴール地点が異なるので2泊するなら2ヶ所押さえねばならない。完全に出遅れた、というか、電話で聞く限りではめぼしいホテルは毎年秋田チャレンジに出走するランナーが「来年もよろしく!」と予約を入れてしまうので、何年たっても予約が取れないらしい。

結局スタート地点である角館から車で40分くらいの水沢温泉郷の宿をとる。ゴールの鷹巣にもそれほど宿は無いため、ゴール後の宿は電車で30分くらいの大館のホテルを取る、これは楽天トラベル経由。
東京から行きは秋田新幹線こまち、これは予約開始1ヶ月前にすぐ申し込んだ。乗車当日は全席指定の列車が完全に埋まっていたから早めに押さえてよかったと思う。帰りはレース翌日の大館空港から羽田までのANAをマイルで押さえた。なんだかんだでウルトラ参加は手間とコストが掛かる。ま、旅行を楽しむのもウルトラの醍醐味ですけど。

レース前々日に帰国して土曜日のこまちで角館へ。東京駅の新幹線ホームにはウルトラランナーらしき人の姿がちらほら。自分のまわりに座った学生らしき人たちも、話を聞いているとやはり秋田チャレンジに出るようでやたら盛り上がっている。隣席の女性に話しかけたところ、彼らはインカレサークル「ホノルルマラソンを走る会(ホノマラ)」のメンバーで、学生さんやOB・OGが多数で来ているとのこと。「学生がウルトラを走る時代なのか!」ともはやオジサンの私は正直かなり驚いた。学生なら他にもっと楽しいこともあるだろうに、と思うが、考えてみれば海外旅行に行く代わりに各所のマラソン大会に出るくらいは学生でも出来るか。いや、こんなに若くしてウルトラの楽しみを知ることが出来るとは羨ましいかぎりで、若いから本気で練習したらすぐサブ10出しちゃうんだろうな、と思う。しかしほんとに驚いた。これまでウルトラの大会で20歳代はほとんど見たことがない、時代は変わりつつあることを痛感。

レース会場は角館駅から歩いて5分、宮城UMCのM井さんにお会いしてご挨拶。8月の奥武蔵でもお会いしました。ウルトラの数々のレースのチャンピオンであるS宮さん、カコキさんのお友達のH野さんとも会う。ウルトラの世界はまだ狭いから結構見知った人に会う確率が高い。
会場で受け付けを済ませて前夜祭まで時間をつぶす。本当は前夜祭などパスして宿で仮眠したかったけど、宿のバスが前夜祭の後でないと来ないので致し方なし。

午後4時から前夜祭が始まって体育館のような会場へ。檀上にはこの場に不似合いなスーツ姿のおじさま方がずらりと椅子に座っている、20人くらいは居るか。隣に立っていた地元秋田のランナーさんが「これから一人ひとり挨拶します。乾杯まですごーく時間が掛かります...」と教えてくれたが、実際本当に長かった。開会式の挨拶があって、地元副市長やらなんやらかんやら自分は走ったこともなさそうなおじさん達がかわるがわる紹介されて挨拶をする。そのうち「あらためてお一方ずつ紹介させていただきます」と、また同じようなことが始まる。「おいおい、えー加減にせーよ。ここは選挙には関係ないランナーの集まる場所なんだよ」と思うが、しかし会場の雰囲気は意外にも和やか。この「これでもか!」というつまらない挨拶の連続攻撃も、もはや秋田チャレンジの名物の一つになのかもしれません。ウルトラランナーって辛抱強い。
やっと乾杯で目の前のケータリングに手をつける。ウルトラランナーは大食漢が多いからすぐなくなるか、と思ったが、意外に皆さんあまり手を付けなかった。残念ながら美味しそうではなかったからかも。そんな中、斜め向かいの岩手ランナーのおじさんは、せっせと持参のタッパーにオニギリやお稲荷を詰め込んでいた、なんだかなぁ...その姿に興醒めして外に出る。供されていたソバを食べて、すでに到着していたバスに早めに乗り込んだ。

バスは水沢温泉郷の各ロッジを回るらしく、「○○に宿泊の方」と運転手さんが人数を数えるも「あれ、10人以上まだ来てない」ということで、出発時間を30分過ぎても出発しない。前夜祭で盛り上がってなかなかバスに乗ってこない人が多いんだろうな、と思っていたらそのうち運転手さんが「会場見てきたけど、もう誰も居ないので出発します。たぶん他の手段で宿に行ってしまった方が多いんだと思います」とのこと...なんだかなぁ。

宿に着いてすぐ別の車で近所の温泉に連れて行ってもらう。これが天国だった。マレーシアでは毎日シャワーだから風呂、それも温泉に浸かれるのは本当に至福の時間。夕食は別のランナーさんとおしゃべりしながら食べるも、意外に前夜祭で満腹になってしまいほとんど食べられない、失敗した。レースのスタート時間が午前4時半なので明朝に宿を出るバスは午前2時半に来るとのこと。明日の準備を終えて寝たのが午後9時過ぎ。5時間くらいしか寝られないのはつらい。こういうときに限って膨満感でなかなか寝付けない...

そうそう、一つ気になっていることがあった。

月曜日の午前中に羽田に到着して午後から出社するお気楽モードだったのが、会議の予定が変わって月曜日の午前中に行かないとまずい(絶対ではないが不在がバレるとかなり気まずい)状況になった。ゆえにレース当日にのんびりと大館に泊まっているわけにもいかず、同日中に帰京する必要が出てきた。幸いレース当日の日曜日午後6台の飛行機を(正規料金で)予約することは出来たが、果たして間に合うだろうか?空港はコース沿いにあり、ゴール地点からタクシーで20分ほどらしい。11時間でゴールすれば午後3時半、風呂に入っても余裕がありそうだ。12時間を超えるといろいろな意味で余裕がなくなってくる。初めてのコースで勝手がわからないが、とにかく時間に追われるレースとなりそうだ...