2013年12月 Chiang Mai Marathon

20年ぶりのチェンマイ。前回学生の時はバンコクから夜行列車で来たけれど、今回はKLからエアアジアでひとっ飛び。

前日(というか出発当日)午前1時半まで仕事して2時間だけ寝て午前3時半に起きて出掛ける。家族からは「もう、やめれば…」と言われたけどそうはいきません。一週間のシンガポール&日本出張から戻って自宅に一泊しただけなので、後ろめたい気持ちは正直かなりあったけれど、まさかキャンセルするわけには参りません。マラソンランナーとは罪な職業(ではなく趣味)です(苦笑)。

LCCTで無事に走馬会O竹さんご夫妻と合流。KLから3時間弱のフライト、爆睡しているうちにあっさりとチェンマイに到着。涼しい、つーか、かなり寒い!フリースを持ってきて良かった。先にチェンマイ入りしていた走馬会Hさん情報がなければ危うく軽装で行くところでした。前日はゼッケンをピックアップしただけで大人しく過ごす。よく見るとゼッケンに自分の出身国の国旗が印刷されているのが嬉しい。

さて当日、午前4時スタートなので3時半にホテルを出る。さ、寒いよ、スタートまでこの格好で我慢出来るだろうか。久しくこういう寒さの中を走るレースを経験していないため不安がよぎる。スタート地点は思ったよりも閑散としている。よっぽどマレーシアの10kmレースの方が人が多いかもしれない。コース図を見ていた時にバンコク走遊会の方(Eモリさん)にお会いしたのでマレーシアから来たことをお話しすると、走遊会は11人の大集団で来られたとのこと。さすが名門倶楽部!

スタート直前に並ぶよう指示があり、拍子抜けするくらいあっさりとした時間どおりの号砲。旧市街を囲む城壁沿いを走り、いったん折り返して南西の市外に向かうコース。格好は走馬会のランシャツと短パン、サンバイザー。顔にはたっぷり保湿クリーム、唇にはリップクリーム、これは正解。迷ったけれどアームウォーマーと手袋は持たず、これは大失敗。寒いところで走っていないため判断力が鈍っていたみたい...

スタートして500メートルくらいでもう左アキレス腱が張ってくる。やはりまだまだ回復していない。これ以上速く走ってはいけないという合図と受け取って、スロージョグに切り替える。ペースはおよそ6分半。とにかく自重、周りに少しずつ追い抜かれるが気にする立場にない。考えてみればフルは8月の北海道マラソン以来4ヶ月ぶり。忌まわしいこの足底痛が発生してからほとんど走れていないので、本日の目標はとにかく無事完走、出来ればサブ5と弱気。

さて、旧市街から離れていくと辺りは段々寂しくなっていく。水エイドは十分過ぎるほど設置されていたけど、ずっとペットボトルを持って走ったので立ち寄ったのは補充の一度のみ。コースはひたすらフラット、暗い中を淡々と走る。吐く息が白い、とにかく寒い。走っても汗が出ず、むしろ体が冷えて何度もトイレに行く、合計5回も行った... 体が温まらないから足が動かない、苦しい走りが続く。昔の古傷のせいで冷えやすい右手がかじかんで何度も擦る。マラソンランナーが走りながら最も考えてはいけないことが頭をよぎる、「なんでこんな苦しいことをやっているのだろうか…」。あー、いかんよ、いかん。ネガティブスプリットならぬネガティブシンキング。でも一刻も早くホテルに戻って暖かいベッドで眠りたい、と切に思う。

距離表示は1キロずつあって有難い。先週日本で買った新しいGPS時計、SOLEUSはまだ使い勝手がわからず、どうやら消費カロリーが最大表示になってしまっている。走行スピードの変化もガーミンとはかなり感度が異なる。

中間地点付近の折り返しでO竹さんとすれ違う。時間にして15分、2キロ以上離れてしまったようだ。うーむ、自重し過ぎたか、でもこれが今の実力。この頃から周りが少しずつ明るくなり、体がやっと温まって汗も出てきた。待ってました、この時を。意を決してスピードを上げる。左アキレス腱の筋肉痛はすでに相当なものだけど無理すればいけそう。治りがまた遅れるかもな、とも思ったけれどこのままスローペースでいってもダメージは変わらないかもしれない。ペースは5km/分、今の自分には精一杯、これでどこまで行けるだろうか。コースがフラットなのと気温が低いお陰で比較的気持ち良く走れる。ただしカーブの地点で曲がる際に故障中の左足底がジーンと痛む、重い嫌な痛み。チェンマイマラソンは折り返しが多いのですが、折り返した証拠に手渡される輪ゴムが手がかじかんで上手く受け取れない…

とにかく前にいるランナーを一人ずつ拾い、エイドもパスして頑張る。給食は持参したアメ2つと行きのエイドでかじったスイカのみ。途中で走遊会の方(Kワイさん)がいらしたので少しおしゃべりしました。有難いことになんとか5km/分を維持したまま40km地点まで到達、ちょうどO竹さんに追い付くことが出来た。

そこから旧市街を走るも日曜日の早朝にも関わらず道路はかなりの渋滞。道路規制をしているとはいえず、無理に突っ込んでくる車やバイクと何度か接触しそうになりながら走る。ここは冗談抜きでかなり危険だった。事故に遭ったランナーはいなかったのだろうか。 40kmから41kmまでの表示がこの上なく長く感じられる。さすがにスタミナが切れてきた、鍛錬不足だ、スピードが落ちてくるのが分かる。このまま一気にゴールか?との淡い思いを打ち砕く41km表示に遭遇。そこから最後はよろよろとゴールへ。

タイムは手元の時計で4時間8分21秒、なんとか6km/分ペースは切れた、というレベル。ちなみにソリウスのキロ表示は43.3km、どちらが正しいのだろうか。
すぐ後に無事ゴールされたO竹さんと二人でゴール後にもらったマックの冷えたハンバーガー(バンコクマラソンのは温かかった記憶が)を頬張り、ホテルまで歩いて帰りました。

総括させて頂きますと、チェンマイマラソンは地味な大会でした。前日のゼッケン受け取り長蛇の列は改善の余地あり。40km以降の道路規制とコース誘導は絶対にもっとしっかりやった方が良い。コースはフラットであること以外は特筆すべきこともなし。応援は当然ながらゼロでした(ゴール前を除く)。エイドの数は十分だったけどあれだけ寒いならむしろ温かい飲み物を出してくれたら嬉しかった。

久しぶりのチェンマイバンコクと比べてずっとこじんまりとしており、黄色シャツだ赤シャツだの騒乱もなく、サンデーマーケットやナイトマーケットは見ていて本当に楽しかったです。タイ料理も美味、マッサージはお安く、観光地としては二重丸でした。次は家族と一緒に来たいな、と思った20年振りのチェンマイでした。