2015年6月 飛騨高山ウルトラマラソン

飛騨高山ウルトラマラソン走ってきました。
また良い大会に出会ってしまった、というのが率直な感想。

前日入りするため午前9時前なんば発の高速バスで飛騨高山へ。6時間くらいかかったけれど、日頃の疲れもあって少しうつらうつらしたり、読書したり、結構時間をつぶせた。
高山駅について隣を見ればそれが受付会場「飛騨高山ビッグアリーナ」行きのバス、とってもスムーズに現地到着。サクッと前日受付を済ませたのが午後3時。名物の選手説明会を見るべく1時間現地で待つ。その間になんと英語で海外ランナーのためにコース説明をしていたけれど、聞いていたのは数人程度でした。
さて日本語での説明会、毎年ランナーと事務局の方が掛け合い漫才のようにコース紹介をしてくれるらしく、それが見たくて待っていましたが確かになかなか笑えました。残念ながら会場が広くてマイクの声が反響して聞き取りづらいところもあったけれど、スクリーンと突っ込みの文字を見ているだけで楽しかった。
その後大会バスで駅まで戻って投宿、と行きたかったけれど、大会参加を決めたのが遅かったせいか、予約したホテルは駅からちょっと遠くてタクシーでないと行けない。しかし前回の鯖街道の反省を生かして調べたところ、1時間に一本バスがあるのでそれに乗って行った。と、思ったほど遠くなく2kmくらいか、これなら無理すれば歩けなくもないことを確認。明朝のタクシーを予約しようと電話をかけまくったがどれも予約いっぱいで、明日どうやって会場まで行こうかと悩んでいたが、これならなんとか駅まで歩いて大会バスに乗れそう。

さてレース当日の朝、午前2時半起床。3時半にホテルロビーの降りてチェックアウトしていたらランナーの方がちらほら。試しにどうやって会場まで行くのか話しかけてみると「自家用車で行く」とのことで、首尾よく会場まで乗せて頂けることに。ラッキー!会場近くまで行ってみると、すでに近隣の駐車場は満車のため遠いところに停めさせられ、そこから1km以上も歩かされた。おまけに一緒に行った方が道を間違えて大回りしてしまい、プラスでかなり歩いた。ということは、ホテルから高山駅まで歩いて大会バスに乗ってもあまり変わらなかったかも...
走る前から疲れてしまったが、気を取り直して会場に入ったら同じ会社のH野さんとばったり出会う。彼は今年でこの大会2回目の参加。ちなみに今後のスケジュールを聞くと、翌週は岩手銀河、月末はサロマ湖、と今月だけで3回ウルトラを走るらしい。体力はどうとして、よくご家族の許可が出るもんだ、としばし呆れる。

時差スタートでワタシは4:45出走。第二組は5:00出走。ワタシは12時間くらいで完走して14時間後の特急に乗らないとこの日のうちに大阪に帰れないので、早いスタートは気分的に有難い。
スムーズなスタート、線路を越えたらいい雰囲気の古い町並みが続く。結構な応援の方々が朝も早よから待っていてくれて嬉しい驚き。持参したカメラで走りながら撮影。と、今度は屋根の上から応援してくれる方がいてまたびっくり。落ちないで下さいね。と、ドラえもん発見。なんかリアル、どこか少し不気味...
10km通過が1時間6分、こんなものか。コースは徐々に登って第1ピークの美女高原へ。途中までH野さんとお喋りしながら走ったけれど、いつの間にかはぐれた。ここのエイドでは新鮮なリンゴジュースやトマトジュースなど買ったら高そうなものがふんだんに振る舞われていた。トイレに寄ってコースに戻ったらまたH野さんと遭遇。「のんびり行くんで先に行って下さい」と言われて先行。といってもこちらも目標12時間で写真撮影しながらのファンラン、しっかり楽しむつもりで走ります。

20km通過が2時間14分(1時間8分)、その後すぐに第1関門:道の駅ひだ朝日村(21.8km)に到着。名物よもぎうどんを頂く。今日は各エイドで食べれるだけ食べて元を取るぞ!ここからコース最高地点のスキー場まで標高差600m、新緑の山中をひたすら登る坂道は走ろうと思えば走れる絶妙な傾斜。とりあえず歩かずに走った。

30km通過が3時間29分(1時間15分)、やはり登りなので時間がかかった。カクレハキャンプ場でとうもろこしのご当地キャラに出迎えられ、おそばを頂く。ここからスキー場まではもう「これでもか!」というくらいアップダウンが続く。フラットなところなんかあったっけ、というくらい上下にふられたマゾなコースでした。ここ1ヶ月ほど毎日スクワットをしている成果が出たのか結構走って登れる。しかししかし、何故か得意の下りでブレーキがかかってしまう。なんだか変なところに筋肉がついたのだろうか、下りが速いランナーにスカスカ抜かれる。この大会、結構レベル高いのか? ついでに言うと、毎日腕立て伏せも始めたので走ると胸が張る感覚あり。肩凝り対策で始めた腕立て伏せだけど、走るには要らない筋肉なのかも。

コース最高地点1345m、第2関門:飛騨高山スキー場(39.2km)に到着。コーラをがぶ飲み、冷やし甘酒はパスしてトン汁を頂く。そろそろ暑くなってきたので持参したボトルに半分ほど水を入れてもらう。昨日の説明会でも言われたが、この大会の特筆すべき点として路上に紙コップなどのゴミが捨てられていない。その工夫として、エイドを出て最後に設置してあるゴミ箱に「最後」と書いてある。のでランナーはそれ以降はゴミを持って走るか、しっかりそのゴミ箱に捨てるか、「ゴミを路上に捨てないマナーの良い大会作りにご協力願います」と言われた言葉が頭に残っており、誰も路上にゴミを捨てていなかったのは好感が持てた。これは良い工夫なので他の大会も見習うことが出来ると思った。

居心地の良かったエイドに後ろ髪を引かれながら出発。40km通過が4時間49分(1時間20分)、すぐ前の二人組のランナーが話しているのが聞こえた。「この大会、完走率高いっていうけど、こんなにきついコースでホンマかな?」。思わず「同感」とうなづいてしまった。
今度は一気に下るコース。これでもか!というくらい下るけれど、無理して飛ばすとスタミナが切れるので敢えてブレーキをかけながら走った。
岩滝公民館のエイドで名物さくらクッキーなるものを頂く。50km通過が5時間48分(59分)、下りのお陰で少し速くなった。ここからまた登り、結構きつい坂の途中に見えた私設エイドはまさしく砂漠のオアシス。スーパーマリオ姿のお姉さん方に元気付けられた。

第3関門:丹生川支所(57.2km)に到着。お腹が空いていたのでここのエイドの焼きそばは嬉しかった。ウルトラマラソンで焼きそばを食べたのは初めてかもしれない。ここでも白いおサルのご当地キャラ、太鼓にブラスバンドと盛大な歓迎を受ける。大きなエイドに入るたびに沿道の皆さんの熱い応援を受けて、思わず優勝してゴールに入るのかと錯覚してしまう、ないしはそれくらいすごい応援に照れてしまう。応援してくれる皆さんが楽しそうなので走っているこちらも嬉しい。

そしていよいよ100kmコースは千光寺へ。このお寺までの坂は走って登れる傾斜ではなく、思い切り歩いた。60km通過が6時間57分(1時間9分)、なんなんだー、このきつい坂道は!やっとの思いで山門に到着。山門からの108段の階段は気合いで一段飛ばしで駆け上る。境内がエイドでポカリをガブ飲み。被り水も頭に大量に浴びた。
ここからは90km地点の坂までほぼ上りなし、一気に下ってフラットな街中を走る単調なコース。ここまで抜きつ抜かれつを繰り返してきた周りのランナーさん達にこのあたりで差をつけ始め、前を走る100kmランナーを一人づつパスしていく。まだ足が残っているのが嬉しい。下り坂で無理しなかったのが功を奏したかな。
途中のエイドで食べた赤かぶ漬けが絶品!疲れた体に酸っぱさとしょっぱさが染み入った。ここでアイシング用の氷をもらえたのも嬉しかった。さっそく帽子の下に入れて走る。エイドで長く休んでいる間にライバルたちにまた抜かれたけれど、氷パワーで抜き返す。もう同じ人を5回も6回も追い抜いた気がする(笑)。

70km通過が8時間14分(1時間17分)、その後第4関門:国府B&G海洋センター(74.1km)に到着。コース変更前はここがゴールだったらしい。またまた名物がいっぱい提供されていたけれど、重そうな食べ物は遠慮してぶっといキュウリを頂く。ここまでで3/4が終了。あとおよそ25km。
エイドを出たところに私設エイドが。な、なんと飛騨の地酒が5本置いてある。ウルトラの途中でビールを飲むことはあったけれど、日本酒エイドは初めて見た。さすがに飲んでいるランナーはいなかった...飲んだら5分でDNFしそう。
ここからは線路沿いや大きな車道沿いのコースで信号に止められることも多く、面白味に欠けるコース。

80km通過が9時間23分(1時間9分)。このままゴールに向かう71kmランナーとはここでお別れ、我々100kmランナーは90km地点の最後の登りを目指す。87.4km地点エイドのどぶ汁、周りのランナーと競っていたのでパスして珍しく短時間でエイドを出た。だらだらした登りを歩かずに走る。昨日の説明会ではソーラーパネルが見えたらそこで登りは終了、と言っていたがまだそれは見えない。一人のランナーが熱中症か道路脇に横たわっている。何人かで話しかけたが「眠いだけで大丈夫」とのこと。どうせなら日陰で寝ればいいと思うのだが。

90km通過が10時間37分(1時間14分)、ここで写真撮影をしてもらう。目の前には結構な登り坂、しかしここも歩かずに走った。ソーラーパネルを越えてエイドに飛び込む。次の2.3km先のエイドで飛騨牛ステーキが待っているらしい。あー、早く食べたいよ、高級牛肉。

そしてとうとう飛騨牛エイドへ。ご当地キャラらしい牛さんの写真を1枚撮って、すぐにお肉へ!いやしいので5切れほど食べてしまった。「胃がもたれて食べれません」というランナーが多く、皆さんとっととエイドを出て行く。ワタシは隣にあった冷やしぜんざいのお姉さん達のお誘いに抗えず、それまで食べたのでだいぶ時間をロスしたけれど、ここまで来たらタイムよりも食べる方が大事。
このエイドを出てからの残り7kmは徐々にペースが上がり、元気が残っているまわりのランナーと叩き合いになる。もはや12時間切りは確実。時計をよく見れば11時間40分(ちょうど7分/km)切りも行けそうなので飛ばす。が、いかんせん胃袋が重い、さすがにぜんざいは余計だったかも。最後97.5km地点のエイドは本日最初で最後のパス。残り1kmの表示、タイムは微妙、右に曲がればゴールが見えるか、と思ったら登り坂が見えて萎えた。

ゴールタイム:11時間40分37秒(1時間4分)。

カメラを持参して走ったわりには上出来。ゴール地点では恒例の高山市長さんのお出迎え。この方、昨日の説明会でも楽しいスピーチをされていました、ほんとエンターテイナーです。
木製の素敵な完走メダルをもらい、ドリンクを頂きながら足湯へ。まず真水に足をつけ、それからお湯に入る。あー、極楽。足ふきタオルをお土産にもらってしまった。至れり尽くせりのなんていい大会なんだろう。体育館で荷物を受け取り、時間的には相当余裕があるのでゆっくり着替えてから大会バスに乗る。と、今度は副市長さんが乗り込んで来て丁寧なご挨拶、ちょっと感動しました。一同拍手。その後、無事に駅に到着、レースを反芻しながらのんびりと特急を待ちました。特急車内はランナーと外国人観光客で満席。ワタシは名古屋まで隣席のスウェーデン人のご家族とお喋りして過ごしました。100km走ってきた、と言ったら根掘り葉掘りいろいろ質問されました。

初めての飛騨高山ウルトラマラソンの感想は以下。
・コースは厳しかった。野辺山、村岡並み。でも後半はフラットな街中でちょっと単調。
・エイドは最高。メニューが豊富。敢えて言えば目覚ましにアイスコーヒーがあったら嬉しい。
・運営はスムーズ。送迎バスも待つことなく乗れました。
・なによりもボランティアと応援の方々のホスピタリティが最高。すべての人が笑顔で迎えてくれました。

またいつか走ると思います。次も豊富なエイドメニューを楽しみたいです。
この大会、もっとどんどん良くなっていく可能性を感じます。