2017年5月 山口100萩往還マラニック 250km:その1

2017年萩往還250㎞ その1

昨年に続く萩往還250㎞、2回目に挑む。昨年は荒天でコース短縮となり、自分自身は足指がもげるほどの痛みに悶絶しながらのゴールとなった。今年こそは好天のコースを楽しみ、板堂峠からの往還道を駆け抜けて笑ってゴールしたい。

と思っているうちにあっという間に一年が経過した。直前の練習は、3月の淡路島一周140㎞、4月の余呉湖70㎞、同じく水都大阪100㎞と積むには積んだが体重増は解消出来ず。

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今年は前泊してしっかり睡眠を取るため防府にのホテルに泊まった。防府にしたのは新山口よりも湯田温泉よりも安いホテルが見つかったから。

さて5/1、適当な時間にゆっくり出掛けようと思ったらいきなり会社同僚から電話が…。連休中になんだろう、と訝しく思いながらも出てみると、取引先の方が亡くなって今晩が御通夜とのこと。どうする?結局式服と革靴姿で40Lザックを背負って家を出る。家族からは「どう見てもおかしいやろ」と言われるが時間の関係上仕方がない。御通夜に参列してから防府に移動、翌朝に式服と革靴を宅急便で自宅に送り返した。

5/2朝、防府天満宮にお参り。きれいに作られている花文字、でも「幸せます」ってどういう意味?ふと見ると石碑が。そうだ、ここも往還道の一部なんだ。

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鈍行列車でのんびり山口まで移動、駅から会場まで歩いて受付無事完了、今年の参加賞はTシャツではなくトートバッグだった。ここで昨年もお世話になったTさんに再会する。数日前に水都大阪でもお会いしたばかりだが、やはり萩で会うと感じるものが違う。聞けば昨年はあの荒天の中、コース短縮決定前に青海島の静ヶ浦キャンプ場までの往復コースを走破して結局34時間、4位でゴールされたとのこと!「明け方に瑠璃光寺にゴールしたら誰もいなくて寂しかったです」ってそりゃそうでしょうね。あまりのスゴさにしばし絶句…。

今年も一緒にセミナーと説明会に参加、一番前の席に座る。ここだと前に荷物を広げても他人の迷惑にならなくてよい。昨年は準備時間がなくてバタバタしたが今年は比較的余裕をもって準備を済ませる。会場内で見知った顔にご挨拶、一年ぶりの同窓会そのもの。まだ二度目だけれど、これが萩の魅力の一つなんだなと思う。

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昨年は天気予報を無視して大層痛い目に遭ったため、今年はしっかりと事前確認。雨はなく二日目は暑くなりそうだ、暑いのが大好きな自分には願ってもないコンディションだ。そのため油谷中には荷物を預けず、宗頭だけに送ることにした。防寒着も上は宗頭へ、下は…悩んだ末に携帯した。昨年大雨に生足を冷やされたトラウマが消えそうにない。

スタートは午後6時からウェーブスタート、5時過ぎに行くと既にかなりのランナーが並んでいる。あまつさえ芝生に横になって仮眠しているランナーまでいる!Tさんと二人、所在なくとりあえず並ぶ、ヒマだ。ふとTさんが「このうちの半数は完走出来ないんですよね」とつぶやく。確かに250㎞の完走率は毎年50%前後だ。自分は絶対に完走するぞ!と密かに闘志を燃やす。

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さてそろそろスタートだ。モンベルバックの胸ベルトを閉めようとしてはたと気付いた。ストラップが無い!自分が買ったバックがイマイチだったのか、しょっちゅうストラップがレールから外れるのでわざわざ安全ピンで固定していたにも関わらず、二つともきれいに無い…。スタート数分前に気付くとはなんたることか。預けたザックに入っているかもしれない。でも取りに行ったらスタートに間に合わない。一度は観念するも、やはりこれからの長丁場を考えるとストラップはあった方がいいに決まってる。

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意を決してスタートとは違う出口から瑠璃光寺を出て手荷物預かり所へダッシュ。手荷物預かり所はコース上にあり、スタートしたランナーと間違われてはいけないためザックを手に持って走る。それでも係員や応援客の皆さんからものすごく奇異な目で見られる。「あれ、トップランナー?」違います。「どこ行くの~?」知り合いのHさんが大声で話し掛けてくる。あろうことか、嬉しそうにカメラを向けてくる。違うんだって、フライングじゃないんだって!

急いで預かり所に駆け込んで自分のザックをまさぐるもストラップは見当たらない、家か…。しばし天を仰ぎ、仕方なくコースを逆走してスタート地点に戻ろうとするのとスタート時間がちょうど重なって、大歓声とともに何十人かのランナーがどっとこちらに向かってくる。恥ずかしいやら情けないやらコースの反対側によけて第一ウェーブをやり過ごし、すごすごとスタート集団に戻る。はー、なんだったんだ…。

結局胸のストラップなしでこれから250㎞走るのか。バックが暴れないように肩を張って走らないといけないのか、それって肩凝りそうだな。ショルダーの右ポケットにスマホ、左に空のペットボトルを入れてバランスを取ってみる。もうどうとでもなれ。

自分のスタートは6時15分、芹澤会長のエイエイオーの掛け声とともに走り出す。無いものは無い。とりあえずこれから長い旅が始まるのだ。

(続く)