2013年1月 Standard Chartered Dubai Marathon 前日

早朝にムンバイからドバイへ移動。
インドの空港ではいつも混んでいて何があるかわからないため早めに行ったところ、あっけないほどスムーズに進む。

かなーり前から搭乗口でボーっと待っていたら突然航空会社のオジサンが駆け込んできて「飛行機の故障のため代替機を待つことになりました。『少なくとも』2時間掛かります!」と叫ぶ。ガビ~ン、マジすか。

一時周りも騒然としたがすぐに落ち着く。海外の人は日頃からトラブルに慣れており、忍耐強く待つことが出来る。しかしなんでもサクサク進む日本育ちのワタシはからきし忍耐弱い。「こうなったら寝るか」と失望して目を閉じるが熟睡は危ない。しばらくうつむいてから顔を上げたらいつのまにか列が出来ている。あら? 周りの人に聞いてみたところ、2時間遅れは隣の搭乗口のデリー経由上海行きのAir Indiaで、自分が乗るJet Airwaysは予定通り飛ぶらしい。おー、早とちりしていた、ラッキー! 列に並んで無事出発出来た、よかった、よかった。

約4時間のフライトでドバイに到着。空港はとってもキレイ。イミグレカードなしでパスポートコントロールに並ぶ。と、自分の列の係官が、別のオフィサーと激しく口論を始める。口論はいいけど、その間まったくお手てが動いておりません。おまけに彼の後ろに見習いなのか別の人が立っていて、その見習い君も口論に加わる。ワタシの後ろに立っている欧米系のおじさんが舌打ちを繰り返す。これがアラブなのか~。

他の列よりだいぶ遅くやっと自分の番が回ってきた頃にはイヤな予感が当たって担当は見習い君に変わっている。
見習い君「あなた何人?」
ワタシ「日本人です(パスポート見ろ!)」
見習い君は一生懸命ワタシの名前をPCに打ち込んでいるらしい。「これ、Zだよね...」「Zだよ!」と口論君に突っ込まれてる。

見習い君「どこから来たの?」
ワタシ「ムンバイです。今朝インドのムンバイから飛んできました」
見習い君「え、ムンバイ...?」
何かまずかったか、インドから来る場合はなにか書類でも必要なのか?
ワタシ「でも、ボクは日本人ですから。ムンバイからは飛んできただけだから...」
見習い君「ムンバイってどういうスペルかな...?」と口論君に聞いている。(スペルがわからなかっただけかよ!)

見習い君「どこのホテルに泊まるの?」
ワタシ「Ibisです。I、B、I、S」とスペルを教えてあげる。

しばらくして見習い君がパスポートを返してくれる。と同時に「Welcome to Dubai」と言われ、思わずこちらもにっこり微笑んだ。なんだ、いい人じゃないですか。これからもお仕事頑張ってね。それにしてもUAEはビジターにイミグレカード書かせた方がいいと思うよ。

いったんホテルに向かい、荷物を預けてからゼッケンをピックアップするためJW Marriot Dubai Hotelにメトロで向かう。外を歩くと確かに日差しは強いがカラッとしていて気持ちがいい。日陰はむしろ少し肌寒いくらい。道路はきれいに舗装されており、起伏もデコボコもない。「これは走るにはいいコンディションだな」と思う。

メトロも最新のものらしくもらったパンフレットによると「無人メトロとして世界最長」とのこと。砂漠をアスファルトでコーティングして作った人工のこの街はどこもキレイで高層ビルがタケノコのように立ち並ぶ。パンフによると「世界有数の治安のよい国家」だそうな。「まさしくここはシンガポールだな」と思う。雰囲気も物価も似ている。同じく海外からの駐在員や出稼ぎの人も多そうだ。シンガポールを味気なくしたのがドバイ、というのが第一印象。

JW Marriotは先進的な高層建築物で超高級ホテル、正直入るのが憚られた。欧米人メインかな、と思っていたが意外なことにアジア系も結構おり、日本人の方も散見された。勿論上位に入るであろうアフリカ人ランナーもいた。顔を見ただけではもはや何系の人なのかよくわからない、あらためて世界は広いと思う。

帰りにカルフールで明日の朝食(パンとヨーグルトとバナナ)を買うが、またこの店がドでかい。ほんとに店の向こう側が見えない。アメリカのスーパーも大きいと思ったけど、ここは今までの人生で一番大きなスーパーではなかろうか。
ショッピングモールを歩くと、世界のどこにでもいる中華系の人は比較的少なく、アラブ系は当然としてインド人がかなり多い。地理的に近く労働力の供給源にもなっているのだろう。それとフィリピン系もかなり多い。

今はホテルに戻ってロビーの無料Wi-Fiで執筆中。
今日はかなり歩き回ったので足裏がヒリヒリと痛い。普段マレーシアでは歩くこと無いからなぁ。明日に影響しそう。

肝心の体調は...あまり良くありません。下痢は一時止まったけどまた悪くなってきた。でもさすがにピーピー時期は脱したようです。食欲はありますが何かを食べるとお腹に鈍痛が...食べれば痛い、食べないと明日走れない、じゃあ食べよう。ということで無難なものを口にしてます。

たぶん明日は走れる。ただ最後までトイレに行かなくてすむかはアラブの神様の思し召し次第。
タイムは...トラブルなければサブ4狙い。

ちなみに優勝賞金は20万米ドル。世界記録を出すとボーナス10万米ドル。
こりゃ他のStandard Charteredのレースとは違いますわ。
明日は世界レベルの選手を見ながら無難に走りたいと思います。

皆さま、幸運をお祈り願います...
神のご加護がありますように。ただし紙のお世話にはなりませぬように。

写真はJW Marriotと、世界一高いタワー(名前忘れた)と、ピックアップ会場。
会場ではなぜか2011年のレース映像を流していました。