2012年4月 Energizer Night Race

Energizer Night Raceのフルマラソン、走ってきました。

Energizerは電池やライトのメーカーで、ナイトランのスポンサーにはピッタリ。レース当日の会場でヘッドライトを無料で(エントリー代に含まれているのでしょうが)配布してました。その配布テントの裏にはいきなり「Head Light Change Counter(ライト交換所)」のテントが...そんなに壊れてる確率高いのか! マレーシアだからね。

もともと6月のKLマラソン前の練習の一環で申し込んだこのレース。昨年は運営の悪さに騒動まで起こったそうですが、ならば今年は改善されて良くなっていることを期待。

さてどうやって行こうか。自宅から会場のSepang Circuitまで仕方なく一人で運転していく予定でしたが、走友会のM永さんが一緒に行って下さることになり、初の長距離運転(といっても1時間そこそこ)を無難にこなすことが出来ました。
会場に着いたら42km出走者用の駐車場があるはずが...すでに道路が閉鎖されている。ボランティアに聞いたら「こっちだ」と誘導してくれるが、閉鎖されている隙間を抜けて行けと言う。「まずその閉鎖ゲートを開けてくれんかな...」と思いながらなんとかすり抜ける。

会場は空港のすぐ近くにあるレース用のサーキット。まずサーキット内をスタート、数km走ってから外周を5周、またサーキット内に戻ってゴール、という変則周回コース。スタートが午後8時、現地到着が午後6時半でまだ明るかったのでM永さんと二人でのんびり会場を歩き回る。人気者のM永さんはあちこちでローカルのトライアスロンの知り合いに声をかけられていました。

スタート20分ほど前にコースに降りる。いいわぁ、F1コースはなんか雰囲気がある。今日は雰囲気的に緩くて最前列に並ぶことが出来ました。42kmランナーは300人くらいか、あとは15Kと5Kランナー。
珍しく時間どおりにスタート、どうせならF1っぽくチェッカーフラッグを振って欲しかったけど、とりあえず暗がりの中、レースコースを走り始める。風が気持ちいい、思わず両手を広げて走る。そこでKLマラソンチャンプのAダチさんに追い抜かれる。今週ずっと練習出来なかっただけでなく、超忙しくて睡眠もろくにとれていないそうです。

サーキットのコースをくねくねと走らされ、はじめは気持ちよかったのがすぐに暑くなる。やはり昼間しっかり日に照らされたアスファルトがそう簡単に冷えるはずもなく、ましてやランナーの放つ熱気を反射するのか(言い過ぎか?)、暑いぜ。

外周の周回コースに飛び出したら、いましたお魚さん! 久しぶりでも忘れないあのフォーム。追い付いて話しかけようと思ったら後ろから来た二人組がスーッと僕らを抜いていく。と、お魚さんも負けじとその二人に付いていってしまう、マレーシアランナーによくあるパターン...あー、お魚が逃げた。気を取り直してまた少しずつ追い付いていく。「よし今だ!」と思ったら突然街灯がないエリアに入ってしまい、今度はお互いの顔が見えなくなる。「いかん、これでは誰だか分かってもらえない」 しばらく無言で併走するも、意を決して話しかける。「以前Desa Cityでお会いしました」「あー、覚えてるよ」「あのあと出たアンコールワット・マラソンどうでした?」「楽しかったよ...」どうやら調子がイマイチのようで「話しかけないで」オーラが出ている。それでは「じゃ」と言って先行させていただく。が、何故かそのあと数百m後に追い抜かれる、うーむ、どんだけ負けず嫌いなの?結局そのあと落ちてきたので抜き返しましたが。

外周はどうやら6.5km/周だということが分かって来た。5周ということは32.5km、ということは外周5周後もあと5kmくらいは走らされるわけね、と逆算。外周にエイドは3ヶ所、はじめ長く気持ちよく下れる坂、角を曲がって緩やかな昇り坂、あとは平坦で最後また昇り、でもそんなにきつい坂はなく、今までマレーシアで走った各レースに比べれば平坦で走り易い。実際暑いと言ってもいつもよりは涼しい夜で「これならサブ4いけるかも」と、相変わらずの体重オーバー&練習不足なのに、思わず色気が出る。いや、いつもこれでマレーシアでは失敗してきた。とにかく余力を残して走ろう、と5分/kmペースだったのを意図的に落とす。エイドは、水、スポドリ(100plusというポカリの炭酸版でとっても美味しい)、途中からエイドの1ヶ所でバナナが供される。これは正直嬉しかった、というのもこの日は昼食後、何も食べずに会場に来てしまい、そこでチョコレートとクッキーをかじっただけだったのでお腹が空いていた。どうもマレーシアのレースだと日本と違ってコンディション作りまで気が回らない。フルを走るのにメシ抜きではきつい。でも直前に食べ過ぎても失敗するし、調整が結構難しい。ということでバナナを1本食べてから落ち着いた。結局4周目にももう1本食べた。1周するごとにチップ計測してくれるのが嬉しい。自分の前後のランナーの名前と周回数も分かるので、途中からは目の前にいる同じ周回数のランナーを目標に追いかけた。

今回は周回コースということで珍しく音楽持参。単調だし、夜だから何も見えないし、Power of Musicにかなり助けられた夜でした。M永さんも音楽持参されていました。「何を聞くんですか?」「中島みゆき、とか」「時代とかまずいじゃないですか?倒れちゃったら」「それは入ってないから大丈夫よ」といった会話もまた楽しい。

さて、外周2周目、3周目も順調で「このまま行けば初のマレーシアでのサブ4達成だ」とまた皮算用をするも、案の定4周目から若干苦しくなってくる。ま、もともとほとんど練習していないし、体重いし、風邪ひいてたし、と慌てもせずペースを落とす、いや勝手に落ちる。それでも外周に出てからは誰にも追い抜かれずにひたすら前のランナーを拾っていく。トップランナーには絶対抜かれるはずだけど、と思った矢先、3周目の終わりで早くも優勝候補のアフリカンランナーに追い抜かれた。いやー、速いわ。そして4周目をテレンコ走っていたらAダチさんにサクッと抜かれた。ま、別次元だから気にもならない。周回遅れを喰らったのはこの2人だけで済みました。このペースで行くとサブ4を達成するのにこのあと6分/km維持と仮定して、貯金がまだ4分ある計算。

3周目くらいからずっとスポンジを握って走る。スポンジで顔や足、腕を濡らしながら走るのが好き。エイドについてはコップの水をスポンジにかけて体をびしょびしょにしながら走る。あるエイドには数人のチアリーダーがいて応援してくれるのだが、やけにテンションが高い。こちらも彼女らに合わせてツイストみたいな踊りをしながら走り抜けたら左ふくらはぎがいきなり攣りそうになる。危ない、危ない、こんなんでリタイアしたらかなわん。

お、前方にペースメーカー発見。数人のランナーといっしょに走っている。これが4時間のペースメーカーか。こちらのペースメーカーは結構適当で、10分くらい速く走ってしまう人が結構いる。「これが4時間のペースメーカー?」と追い抜きざまに聞いたら一瞬返事が無い。そして「ノー、6 Hours!」との答えが返ってくる。失礼しました、6時間も走る体力ございませんので先に行かせていただきます。

5周目もかなり苦しかったが最後の外周ということで、無理して(と言っても)6分/kmを維持して走る。昇り坂はさすがに歩きそうになるが「フルで歩いたらいかん」と思って走る。もうこれでここは走らなくていいんだ、と思いながら5周目を終えてサーキットの敷地内に戻る。そこでいきなり後ろからすごい勢いで来たおじさんランナーに追い抜かれるが、速過ぎてまったく反応出来なかった。サーキット内をあと5km、これがどうにも精神的にきつかった。このコース一番の上り坂が待っており、なんとかそれを昇り切って、自分の停めた車の前を走り、サーキットのコース内に帰ってくる。メインスタンドのゴールまであとアスファルトの上を3km、な、長い。なにかの間違いであってくれ。前のランナーを追うが追い付かない、あー、とうとうエネルギー切れた。ゴールまであと1kmで少し歩いてしまった。疲労困憊です。

結局ゴールタイムは手元の時計で3時間57分くらい。なんとかマレーシア初のサブ4達成しました。って、全然自慢出来るタイムではございませんが。

ゴール後、大きなタライに氷水がはってあり、そこに浮かんでいるスポンジで好きなだけクールダウンすることが出来た。これは嬉しかった、が、誰も他にいなかった。30分くらい極楽気分で独り占めさせていただきました。車に戻って着替えて車内で寝転んでM永さんを待つ。そしてかなりお疲れながらも無事完走されたM永さんと二人で無事KLまで戻りました。

来月はシンガポールにてSundown Marathonでまた夜中にフルを走る。やっと決まったスタート時間は午前0時45分。去年は午後10時スタートだったのに、いったいなんで真夜中なんかにスタートするのか。それはおいといて、出来ればこのレースでも4時間以内で走って、KLマラソンにつなげたいと思っています。

今回のレースを総括させていただきますと、コースは単調ながらもアップダウンがそれほど多くなく、エイドも周回なので場所も多く、背後から来る車に生命の危険を感じることもなく、気候も暑過ぎることなく、総じて気持ちよく走ることが出来ました。来年も出る可能性大です。来年は欲を申せば3.5時間切りたいですねぇ...